治療・生活・就労環境上の諸問題や社会保障制度の現状に鑑み、当会は2017年の発足以来、陳情をはじめとする様々な活動を進めてきました。
1.陳情活動など

ー 治療・生活状況の改善に向け、厚生労働省や関係する学会、製薬会社等に対し、これまで主に以下のような要望や働きかけを行ってきました
• 日本ボツリヌス治療学会に対し、ジストニアに対するボツリヌス治療をより存続可能な体制にしていただくよう求める(2019年)
• 厚生労働省が2009年5月に公表した重篤副作用疾患別対応マニュアル「ジスキネジア」の内容の更新・適正化を求める(2019年。その後、2022年2月の改訂により要望事項が反映された)
• 眼瞼痙攣を含む眼球使用困難症候群(PDES)の患者を障害者手帳・障害年金の対象とするよう障害認定基準の改正を求める(2021年)
• 顎口腔ジストニア・ジスキネジア患者の窮状をボトックスメーカー(GSK)に訴え、企業治験の可能性について問う(2021年)
• 厚生労働省が2022年2月に公表した重篤副作用疾患別対応マニュアル「ベンゾジアゼピン受容体作動薬の治療薬依存」の改定を求める(2022年)
• 眼球使用困難症候群(PDES)の公的救済に向けた早急・着実な施策の具体化と厚生労働省研究班の拡充を求める(2025年)
ー 上記の要望活動のうち、顎口腔ジストニア・ジスキネジア患者の治療環境の問題については、その後、関係する医師と協力しつつ、同疾患へのボトックス治療の薬事承認(保険適用)を目指す活動へと転換しています。(現状のままでは、現在でさえ治療できずに厳しい状況におかれている患者が大勢いるのに、将来はさらに治療環境が細っていきます。)
今後さらに、これまで情報提供してきた西洋医学の治療についてのみならず、東洋医学(鍼治療・漢方)や疼痛関連の学会と連携して重症化・難治化したジス症状や筋固縮・疼痛の治療可能性を探る企画についても検討していく予定です。(※2025年7月現在)
2.通年活動と定例活動(交流、会報、病院情報更新)
ー 当会は通年活動として会員が自由に書き込みできるネット掲示板としてSNS(mixiの非公開型コミュニティ)を運営するとともに、定例活動として会員が参加できる以下の交流イベントや事業を行っています。オンライン相談会、おしゃべり会、総会はいずれもZoomによる参加です。
• 会員は会のSNS(mixi)で質問や相談、近況報告などを自由に行えます。mixi参加者同士で直接に情報交換することもできます。
• オンライン相談会 ー 参加者の症状や治療法、病院の選択、社会保障等をめぐる疑問や相談事について、スタッフ側から把握している限りの参考情報を提供するとともに、他の参加者からも情報提供していただいて一緒に解決策を考えます。偶数月(2月を除く)の第2土曜日 13時30分~16時に開催。
• おしゃべり会 ー オンライン相談会よりも幅広い内容の疑問や悩み事、他の会員に聞いてみたいこと、逆に自分から話したい体験談や情報などをジストニア・ジスキネジアのことに限らず自由に率直にやり取りし、一人で抱えている心の重荷を軽くし、同病者同士の交流と共感、支え合いを目指します。奇数月の第2土曜日 13時30分~15時30分に開催。
• 総会 ー 年1回、その年度(4月~3月)の活動内容と財務状況を説明し、質疑応答を行います。残り時間は会員同士の交流や相談などに充てます。2月の第2土曜日 13時30分~16時に開催。
• 会報の発行 ー 2024年から年1回の会報(PC版およびスマホ版)を会員に向け発行し始めました。
• 病院情報の更新 ー 毎年の医師の異動や新たに見出した医師・鍼灸師・病院情報等を反映させるため、5つのカテゴリーに分かれた病院情報をそれぞれ年1回更新し、最新化に努めています。
3.その他の活動
ー その他の活動として、以下のようなことも行ってます。
• こちらのフェイスブックページでジストニア・ジスキネジア関連のニュースや会の活動報告などを随時発信しています。
• 2021年には特例的事業として、運動療法フェルデンクライスのジストニア・ジスキネジア症状への改善効果を検証するため、プラクティショナーを招き、参加を希望した会員延べ21人とともに計12回にわたりトライアルレッスンを実施しました。
スタッフ紹介

川島秀一
Shuichi Kawashima
代表
メッセージ
私自身は2010年に一次性の痙性斜頸を発症しましたが、約8年後に寛解に至りました。その間、2012年7月から2017年3月までNPO法人ジストニア友の会の理事、次いで副理事長を務めた後、2017年10月に当会を同病の友人たちと設立しました。別の会を立ち上げた背景には、ジスキネジアまで含めつつ精神科薬物治療の問題に関与する必要性があったこと、顎口腔部の治療環境の改善に患者会からの積極的関与が不可欠な状況にあること等の要因があります。症状が進行すると大変厳しい状況に陥ることもあるジストニア・ジスキネジアですが、現状改善のために力を尽くしたいと思います。

森田貴子
Takako Morita
副代表
メッセージ
2003年薬剤性頸部ジストニア(痙性斜頸)を発症。地元病院でボツリヌス治療を受けるものの改善せず、ジストニア専門医による同治療を受ける機会を諸事情により逃したりすることで、症状が難治化しました。過去の自分の経験を踏まえ、会員の皆さまには早目の治療を呼び掛けています。自身のジストニアは徐々に悪化していますが、同病者の皆さんと一緒に、少しでもジス患者さんのQOLを上げられるように、できる限り頑張りたいと思っています。元公務員。

仙田正志
Masashi Senda
メッセージ
2010年 眼瞼痙攣を発症。その後、首・肩・口・喉にまで症状が広がり、休職して治療に専念。鍼治療・ボツリヌス治療で軽快し、本業の労働組合活動で奮闘中。
※目下、上記+1人の役員4人と運営協力員3人の計7人で当会を運営しています(2025年7月現在)